常本悦矢氏の電子書籍に寄稿しました

少年の身体表現に対する深い追究の末に生み出されたと想像される伸びやかで闊達な線描が魅力的で、代表作「カルマズ」でも知られる常本悦矢さんこと小山内祐樹氏よりご依頼を受け、短編小説「27度の幻影」を寄稿しました。

「たまにはリョナじゃないお話を書くのもいいか」という感じの軽いノリでお引き受けしてしまったのですが、自サイトで勝手気ままに書き散らしている文章とは違って、寄稿というのは思った以上にプレッシャーがかかって難しかったです。

以下から無料で読めるようですので、ぜひどうぞ。

都市を隔て、コンクリートの堤防に囲まれて「ぼくら」の生活と何の関係もないもののように海へと注いでゆく川。そこを行き交う煌びやかな屋形船と、暗い船の中からそれをただ眺めている「ぼく」。
思春期の少年の抱える閉塞感と、自分の知らぬ内面を秘めたとある少年への憧れ。
……まあそんな感じのあまり楽しくはないお話です。

勘違いされると良くないので念のためですが、舞台設定には実際の体験なども援用しているものの、ねぎしょの自伝というわけではありません(なお、家出して係留されている屋形船に忍び込み一晩明かしたことは実際にあります 🙄 )。
また、エツヤ氏の創作には強い敬意を持っていますが、氏の全ての考えや主張に完全に賛同しているということではありません(テーマによってはけっこう対立する部分もあるかもしれません。恐らく氏にとって私の創作物も同じでしょう)。

悦矢氏の散文詩のような独特の文体と、同じく寄稿のボグ氏によるリアリティあるテキストも楽しめます。
かつてねぎしょから氏にオススメした「みづいろ」「飼育する少年」の引用が……ちょっと引用のレベルを超えているような気がするのが心配なのですが……、それはまた後で氏に直接お伝えしてみます。
→出版に当たって審査を経ているとのことでした!

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